講演会とクイズ<遺言書の書き方>

代表弁護士 吉岡 毅

<復活掲載コラム>

 

弁護士としての仕事のひとつに、各種の講演会での講演や講義の講師、書籍などの著作・監修活動があります。

私も、講演の依頼を受けてお話しをさせていだく機会が、比較的多いほうです。

講演内容は、ご依頼に応じて様々です。

企業や各種団体での学習会や法律に関する講習会などのほか、法教育の観点から学校等でボランティアの授業を行うこともありますし、弁護士向けの専門的な研修会の講師を行うこともあります。

 

本年(2011年)10月27日には、埼玉県立大宮南高等学校にて、生徒(高校2年生全員)及び教職員の皆様約330名に向けて、「なぜ凶悪犯人を弁護するのか?」という内容の講演(特別授業)をさせていただきました。

また、同年11月12日には、顧問先団体主催の「市民法律なんでも相談会」にて、講演会の講師をお引き受けしました。

残念ながら、上記2つの講演は対象が限られていて一般の方はご参加いただけませんでした、ご要望があれば、かなり少人数の集まりでも積極的に講師等をお引き受けしております。お気軽にお問い合わせください。

 

 

ところで、私の講演は、演題や参加者の皆様の顔ぶれなどにより、内容も雰囲気もガラッと変えています。

例えば、参加者の皆様に次のようなクイズを出して、身近で気楽な法律のお話しをさせていただいたことがあります。(これは、私がまだ弁護士になって間もない頃に、顧問先の企画した講演会で、『○×式クイズ ~こんな遺言書で、ホントにいいの?~』と題してお話ししたときの、ちょっと懐かしい配布物の一部です。)

 

 

 

【突然ですが、問題です!】

 

1 自分で「遺言書」を書いてみました。次のような場合、法律上有効でしょうか?

① 字が下手なので、ワープロで書いたものにペンで署名して押印した。

② 漢字が大の苦手なので、全部カタカナで書いた。

③ 書いた日(作成日)を「平成30年9月吉日」にした。

④ 日付を書かず、「私の満70歳の誕生日に書きました。」と書いた。

⑤ 遺言者の名前が「林家○蔵」(芸名、屋号など)になっている。

⑥ 遺言書が2枚以上にわたっているのに、割印がない。

 

 

2 隣の家の奥さんが、こんな遺言書をのこして亡くなられたそうです。50万円もらえたら嬉しいけど、コニシキ君は太りすぎで全然かわいくないので、私は育てたくありません。そもそもこの遺言、有効なの?

 

「私のかわいい愛犬であるブルドックのコニシキ君を、隣の家の××さんに遺贈します。××さんは、コニシキ君が死ぬまで、うんとかわいがって育ててください。その代わりに、私の財産から現金50万円も遺贈します。」

 

 

3 私は、暗くてじめじめしたところが大嫌い。死んでから、お墓の下の暗い土の中に閉じこめられると思うと、嫌で嫌でたまりません。できれば、私の骨を生まれ故郷の海の上にまいてほしいんです。そういう遺言をしたら、有効と認められるんでしょうか?

(以下、略)

 

 

……さて、クイズの答えが気になりませんか?

 

 

 

 

 

 

【解答】

1 ①無効 ②有効 ③無効 ④有効 ⑤有効 ⑥有効

2 有効

3 無効ではない

(※いずれのクイズも、具体的な状況設定によって正解が変わることがあります。実際の講演では、より正確にご説明しています。)

 

 

(初出:2011/10)