代表弁護士 吉岡 毅
<復活掲載コラム>
少し前から、弁護士が書いた一般向けの本がたくさん出版されるようになりました。
特によく目に付くのは、法律の解説書ではなく、「弁護士の○○術」とか「○○法」といったタイトルのビジネス書や自己啓発書などです。
弁護士の読書術、速読術、交渉術、論理術、説得術、時間管理術、勉強法、情報整理法、文章術・文章の書き方、謝罪の仕方……などなど。
弁護士は、難関と言われる司法試験を突破し、日々の業務で多数の事件を同時並行で進行させ、分厚い法律書を読み解きながら各種の書面を作成し、微妙かつ困難な交渉・説得に挑んでいます(と思われています)。
確かに、ある程度の経験を積んだ弁護士であれば、誰でもこうした技術・方法論について一家言を持っているのが普通です。
そのためか、同業者の視点でこうした本を実際に手に取ってみると、自分も普段から当然のように意識していることばかりで、あまり興味深くは感じません。
しかし、異業種の方や新人・学生の方などにとっては、自分にない経験から出てくるアドバイスが新鮮であったり、思わぬ有益なヒントを得られたりすることが多いと思います。
私も、たくさんの異業種の方の書籍から、日々様々な技術を学び、刺激を受け、生きる活力をもらっています。
みんな違うからこそ、世界は複雑でおもしろいんですよね。
ちなみに、弁護士の○○術は、私にもすぐ書けると思います。
例えば、私は仕事で使う資料以外で、平均すると週に4、5冊の本を読んでいます。 そのうち約8割は、1冊10~30分以内に読了しています。
つまり、趣味として月に20冊くらいの本を読み、そのうち15~16冊は、いわゆる速読術の範疇に入る読み方をしています。
1冊を1分とかはできないのですが、軽めのビジネス書などをこの程度の時間で読めれば、十分実用的な速読と言えますよね。
読んだ本の数を稼ぐだけなら、月50~100冊以上でも読めるでしょう。
仕事で資料として使う場合なら、かなり専門的な書籍でも、同じくらいのスピードで目を通すことができます。
この程度のレベルの「弁護士の速読術」でよければ、
皆さんにも今すぐにご紹介できます。
要は、 目を速く動かせばいい んです。
……嘘じゃありません。ホントです。
ホントのことをそのまま書くと1冊の本の文字数にならないので、著者の皆さんは、色々と工夫して余計なことを書いているだけです。
と、こんなことを言っちゃったら、そのうち私が本を書いても、誰にも買ってもらえないですね。「頑張って余計なこと書いたんですね」って言われるし。
まぁ、速読する以上、さすがに一定のレベルで集中している必要があったり、そのためのコツがあったりしますので、手取り足取りで大前提から教えようとしたら、何冊分もの情報になるのかもしれませんが(……今、鉄壁の守りに入りました!)。
ちなみに、小説などは速読しません(できません)。
本は、読んでいる時間それ自体を楽しむためのものでもあります。
なので、意外に文字の少ないマンガとかのほうが、ゆっくり読んでいたりします。
皆さんは、どんな「弁護士の○○術」に興味がありますか。
(初出:2012/10)
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